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2017-09

テレキャスターシンラインのボディ割れ(バズマザーズ 山田氏編) - 2016.02.09 Tue

一月下旬のこの時期としてはとても暖かい午後、久しぶりにpalitextdestroyの河本君から電話が、

河:「テレキャスターシンラインのボディが割れたらしいんですよ」

私:「ほう」

河:「バズマザースってバンドのギターなんですけどね」

私:「ほうほう」

河:「ライブで割れちゃったらしんですよ」

私:「ほうほうほう。で、、、、分割されてちゃってるの?」

河:「yes!」







ということで、久々に来ましたボディ割れの修理のお話です。
今回は写真多め、説明文も多め、少々マニアックな内容ですが最後までお付き合いください。
DSC00628.jpg


オーナーはバズマザーズの山田氏。

バズマザーズとはこんなバンド↓



ライブ中に起きた惨劇ということです。
以前から割れは起きていて、自分たちで木工用ボンドを割れているところにずぶ塗りして継続使用してたそうですが、
きちんとした手法で補修しないと強度的には全く意味を成さないので皆さんもお気をつけください。

割れたらいじらずに、破片を全て拾って、なるべく早くLovelessにご相談ください。
そうすれば、上手く直る確率が上がりますよ!


さてどうやって直すか、、、、、
見た目を元通りにというのは必要なく、強度があってライブの演奏に耐えうる仕様を希望との事。

シンラインはボディが中空です。
ボディバックを掘って空洞部分を作り、トップに5mmくらいの木材を接着してあります、ようは箱のような感じですね。

なので、分割されたボディを接着するにしても接着面積が狭く補強は絶対必要、しかしLovelessでいつもやる金属プレート埋め込み補強は上述のボディ構造のため難しい。。。。。

埋め込めないので、プレートむき出し補強しか手が無いのですが、ボディのトップ、バックともに中空ボディ故材厚が薄い。
ネジ止めした時にねじ込み寸が少なく、強度が出ない、、、、、
ボディに数箇所ある材厚が厚い部分にしかプレート補強はできそうにありません。

しかしそれで激しいステージを耐えることができるのだろうか?




色々考えて、バラバラになっている各パーツごとに中から木材で補強し、合体した後、金属プレート、プラスチックプレートで外側から補強、fホールを使ってボディ内部の接合部分に木材で補強というトリプル補強でいくことにしました。

そして外観のコンセプトはMAD MAXのインターセプター!
mad_side.jpg
ボンネットからスーパーチャージャーでちゃってるよ~的な格好良さ。


さて始めます。
バックリ割れているので、まずは接着します。
DSC00631.jpg

DSC00632.jpg


そして中からメイプル材で補強しておきます。
DSC00633.jpg


次は破片のほうを接着し、補強します。
DSC00634.jpg

DSC00636.jpg


で、最後のワンピースもあらかじめ接着します。
DSC00638.jpg


ここまでで、分割された各パーツごとの補修と補強が完了しました。
次はいよいよ合体、補強へと入ってゆきます!




その前に、接着剤が乾燥する間に一目見たときから、その豪快な錆び方が気になっていたブリッジの駒を分解掃除します。
DSC00651.jpg

何とか錆でネジが折れないように気を使いながらバラしました。
そして、防錆油に漬け込みしばし待ちます。

DSC00652.jpg

う~ん、厳しいです。
バネはネジに固着し折れてしまうものもあるし、錆が取れると同時に朽ち果ててしまったネジもあるしで、再利用を諦めました。
どうにかこうにか駒を入手しこちらの懸案事項はクリアです。



さて、いよいよ合体です。
接着前に何度も仮組をして密着具合を確認します。
クランプ締め用の冶具をアルダーの端材で製作します。
DSC00640.jpg

DSC00641.jpg
なんだかえらいことになっているように見えますね。
そりゃ、体が3分割してしまったのを元通りに直すのです、「えらいことになってるな~」感も少しは出ないとね。

ただ、作業している私にはそんな感覚は微塵も無く、頭に描いている絵柄通りに進んでいる事を認識しながら進めているだけなんですけどね。
あたふた人に任せるのはイヤですしね。





そして接着完了後、まずはトップ面にネジ寸が取れるところに金属プレートの補強を入れます。
私が気に入っている「STRONG NO.58」です。
DSC00643.jpg


おしり側にはプラスチックプレートを曲げて2連発!
DSC00659.jpg


ボディバックは、万一体がすれると怪我をするかもしれないので、プレスチックプレートで補強。
DSC00658.jpg



少し不恰好ですがFホールから手を入れて、接合部を橋渡しするようにメイプル材でさらに補強しました。
DSC00656.jpg

DSC00657.jpg



スタッフのウチダさんに納品して完了!
音源やら30%くらいモテるというリストバンドやらありがとうございました。
バズマザーズは2016年3月2日に 『せっかちな人の為の簡易的な肯定/ナイトクライヌードルベンダー』を発売します!
DSC00660.jpg


あとはライブで実際使用してみてどうかというところです。
何かあればご連絡ください、全力で取り組みます!
お待たせいたしました。


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プロフィール

Loveless

Author:Loveless
ギター製作家。
1969年岐阜県生まれ。
横浜国立大学大学院工学研究科卒業後、豊田通商㈱入社、貿易業務などを担当するも退社。
ギター製作学校に入学し卒業後、同校の講師を務め独立、
ギター&ベース製作・修理工房「LOVELESS」を立ち上げる。

音楽とバイクと猫をこよなく愛する。

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